2012年06月01日

イデミ・スギノ(東京・京橋)


『人気の理由がさっぱりわからない』

 店主の杉野英美は1991年パリのリヨンで開催されたパティシエの世界大会(クープ・ド・モンド・ド・ラ・パティスリー)でチーム優勝を果たした。大会優勝をうたい文句に92年に神戸の北野にあるビルに出店したのがこの店のはじまりである。ちなみにこのフロアには芦屋の小さな喫茶店だったアンリ・シャルパンティエがケーキ専門で店を出していた。ケーキの平均値段が250円ぐらいの時代に従来の半分以下の小さなケーキに金箔をあしらって550円という値段をつけた。これがケーキの小型化と1個500円時代のはしりだと思われる。

 
 さて19年ぶりに訪れた杉野の店。

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【アンブロワジー】 

 パティシエ世界大会時の優勝作品「アンブロワジー」は19年の時を経てなお健在だ。しかも740円という一番高い値段がつけられている。当時は確か550円だったかな。今も昔も高いなと感じる。
  金箔の飾りはアンリ・シャルパンティエの十八番を真似したともとれ今では古くさいが、黒に近いチョコレートにはよく似合う。
 表面を覆う黒漆のような艶のグラッサージュ・ショコラの下にはチョコレートのムース。三層目が白色のピスタチオのムースで四層目は木イチゴのジャム。そしてそれらを底のチョコレートのスポンジが支えている。サイドに飾られたチョコレートの花びらも華やかだ。
 歳月を感じさせないところはさすがと言える。しかし740円という一番高い値段を付けて19年間も店の顔として存在させているのは
「店主に進歩がない」
と言われてもしかたがないだろう。

 ところで、東京都多摩市にある「ル・ププラン」なる店に「アンブロワジー」に酷似した「グアナラ」というケーキがある。
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 【グアナラ】
上の写真と比較しても「アンブロワジー」との違いを見つけ出す事の方が難しいことがおわかりいただけるだろう。
  杉野の店との関連が見当たらない店主の経歴からすればパクったと言われても仕方がない。しかし「ル・ププラン」では特に店の看板ケーキという位置づけではなく価格も420円である。「こんなケーキ誰にでも安く作れるわい」といったアンチ杉野感覚で作ったのだろう。
 杉野もここまでやられたら「アンブロワジー」を引っ込めるぐらいの男気があってもよさそうなものだが、彼にはこのケーキを越えられるような新製品を作り出す能力はない。

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イデミ・スギノのイートイン専用ムース系ケーキの一つ「プレジリエンヌ」

 ショーケースには15種類ほどのケーキが並べられているが、不思議なことにそのほぼ半数がイートイン専用である。ほとんどがフワフワのムース系。イートイン専用ということは持ち帰りが出来ないほど繊細な作りなのだろうかと思ったが、なんのなんの全く問題なく持って帰れます。どれも作りだけは繊細で凝ったケーキなのだが、所詮ベースがムースだから食べ応えがない。味のアクセントには柑橘と洋酒を使っているが、下手な組み合わせだと「プレジリエンヌ」のようにプンと塩素のような香りになってしまうのである。書き出せばきりがないが、私には何故この店が頻繁に食べログで口コミされ、しかもあれほどまでに高評価なのか全く理解ができない。
 
 何よりここのコーヒーが全くひどい。
エスプレッソを湯で薄めてコーヒー750円でございますはないだろう。
 
 おまけに店内は撮影禁止とはまったく了見の狭い店主である。皿に乗った自分のケーキを記念にそっとコンデジで撮るぐらいは全く問題ないと考える。ここの店主はショーケースの中や店内を一眼レフでバシャバシャ撮りまくる成り上がり者の東洋系外国人観光客からの精神的外傷があるのではないか。
 例えば回りに迷惑や不快感を与えない撮影方法でカメラを構えている客がいると想像してみよう。
金出して買ってこれから食べようとする自分のケーキには肖像権は有りません。カメラに納めて楽しい気分になろうとしている客の所に店員がすっ飛んでいって「おやめ下さいお客様。当店は撮影禁止でございます」と言うのは如何なものか。 私は事実その行為を目の当たりにして隣席を見入ってしまった次第である。
 
 オーナーパティシエ、不思議なことに最近はオーナーシェフとも紹介される杉野英実氏。
神戸の北野で真っ当にケーキを売っていればよかったものを、わざわざ東京に店を出しNHKの料理番組の講師にも登場している。杉野にテレビで「店の味を広く庶民に伝えよう」なんて崇高な志は無い。「店の宣伝」の為だけに出演していると言っても良いだろう。微妙に店名が判る料理服を着ているばかりかテキストには店の詳細情報まで載せている。「有名だから」「テレビに出ているから」「食べログの口コミでみんなが旨いと言っているから」旨いんだろうと勘違いする客が多いのだろう。
 
 私が見る限りでは伝説のケーキ「アンブロワジー」以外に目新しいケーキは見当たらない。イートイン専用のケーキと同様に、もはや杉野のケーキ職人としての賞味期限は切れていると言って良いだろう。
 
 イデミ・スギノの狭くて薄暗いイートインスペースで過ごすぐらいなら、同じ値段で近くの資生堂パーラーに行ったほうが1億倍幸せな気分になれるというものだ。
 
posted by ブディーノ at 15:50| Comment(9) | TrackBack(0) | ケーキ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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