2012年07月30日

高田馬場 鰻 愛川

『店主が客席に挨拶に出て来る鰻屋』

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―入り口―


店内.jpg
―店内―


客を待たせる店シリーズ第二弾は高田馬場 鰻「愛川」。
 
 と言ってもこの店の待ち時間は20分と田園調布の「平八」の半分である。よって注文を受けてから鰻を捌く店ではないということが判る。

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―お品書き―


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―お品書き―


 この店の鰻重は松、竹、梅、菊、葵、鶴、亀の7段階。松は鰻高騰の影響で取りやめにしたようだ。内容の違いは竹、梅、菊は太さの違う鰻の1匹使い。葵、鶴が1匹半で、亀は2匹入っている。この店ではそれらの蒲焼きを「蒸さずに焼く堅焼き」と「蒸してから焼く普通」の2通りの注文が出来る。今回は初回お試しということでグレードは真ん中の「菊」を選び、で「堅焼き」と「蒸し焼き」の2つを注文した。

 江戸の時代から「鰻屋でせかすのは野暮」「蒲焼が出てくるまでは新香で酒を飲む」と言われている。「新香で酒を飲む」とは多分に腹を減らして待てという格言であると理解している。しかし今日は「枝豆」と「冷や奴」が夏らしく美味しそうだったので、それとビールで待つことにした。枝豆はお品書きには「だだちゃ豆」となっているのだが7月にこの豆が市場に出回る事はない。まあ誤記か冷凍のいずれかだが食べた感じでは誤記ということにさせて頂く。

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―ビールとお通しの骨焼き―


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―枝豆とお通しのほうれんそう胡麻和え―


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―冷や奴―
 
 
 鰻が焼けるまでしばし待つ間に、少々首を傾げたくなるような事があった。店主が何度も客席に挨拶に出てくるのだ。実に不思議な店である。私の注文した鰻はどないなっとるんやろ。助手がいる気配はないので自動蒲焼き機の上にでも乗ってるんかいな。

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―菊・堅焼き―

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―菊・蒸し焼き―

 運ばれてきた鰻重の「菊」の蓋を開けると、ほんの少し隙間からご飯が見える程度でほぼ私の期待通りの鰻重だ。ちなみに私は鰻重の蓋を開ける瞬間が一番緊張する。鰻がお重に隙間なくびっちり乗っていますようにと期待を込めて開けるわけだが、かなりの確率で裏切られるからだ。焼きは「堅焼き」、「蒸し焼き」双方とも均一な狐色で美しい仕上がりだ。堅焼きはもっと焼きを強くして差を付けてくるかと思っていたがそうではなかった。
 出てくるまでは一抹の不安を抱かせる蒲焼きであったが、大変美味しく見事な出来映えである。「たれ」は甘み、塩分共に濃く、お腹に重めの味付けとなっている。このクラスの鰻屋になると鰻の餌切りが上手く出来ているかなんて心配は無用のようだ。蒸さなければ東京の鰻じゃないとまで思っているブディーノは勿論蒸した蒲焼きのほうが好きだが、堅焼きも慣れ親しんだ関西の鰻を思い出してこれもまた良い。
しかし何かが足りない。 それは炭の香りである。
 
 この店は鰻をガスで焼いている。それも弱火の遠火で焼いていると見た。なるほど店主が何度も客席に出てきていたはずである。もし備長炭を使っていたら火加減が難しくて一時たりとも焼き場を離れる事はできないはずだ。それを思えば池袋「かぶと」の焼き方を誉めてやらなければならない。動きはかなり病的だか、あのこまめさがなければ旨い炭火焼きは出来ない。
 
 この店の蒲焼きには黙っていても「肝吸い」が付く。東京では珍しい良心的な店だ。お通しに付く「骨焼き」や「ほうれん草の胡麻和え」も嬉しい。なによりこの店の「香の物」が実に旨い。次回からは、「おしんこ」を肴に酒を飲む「江戸の作法」で蒲焼きを待つことにしよう。

【総 括】
●堅焼き、蒸し焼き共に大変美味しい。
●ガス焼きなので炭の香りがしない。
●松、竹、梅、菊、葵、鶴、亀の鰻重7段階設定には恐れ入る。
●蒲焼き「肝吸い」付きとは嬉しい限り。
●「おしんこ」の旨さは秀逸。酒の肴になる塩加減と漬かり具合だ。
●店主が焼き場を離れて客席に挨拶に来る希有な店。
●有名店にありがちな「難しい」店主ではなく、のんびりとした人柄。
●女将さんのほんのりとした接客がとてもよい。暫く店を休んだ理由が女将さんの怪我だったと聞きブディーノ納得、夫婦の愛と絆に涙する。
posted by ブディーノ at 13:44| Comment(0) | TrackBack(0) | うなぎ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

田園調布 うなぎ 平八

『口の中で溶ける蒲焼き』 
 商魂丸出しの店主にバカ呼ばわりされて喜んでいる客が集まる鰻屋、池袋「かぶと」。ブディーノにとってこの店は「東京の恥」としか言いようがない。かような店が食べログ全国鰻ランキング1位だとは、食べログの評価は全く信用出来ないと考えたほうが良い。私は常々「食は文化」「味覚は教養」と論じているのだが、池袋「かぶと」のような店がもてはやされている現実を目の当たりにすると日本の食文化は今後どのようになってしまうのかと危惧してやまない。
 しかし店主の態度は最悪と言っていい「かぶと」ではあったが、得られた事が一つだけあった。それは捌きたての鰻は美味しいという事だ。そこで私は注文を受けてから捌いて蒸す鰻屋、即ち客を待たせる店を探した次第である。
 手始めに行ったのが田園調布の「平八」。注文を受けてから40分待たせるという。

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―入り口 店は階段を上がった2階―
 
 店は田園調布駅前で、鰻を焼く香ばしい匂いが改札口まで漂ってくるほどだ。
40分待つ間は読書でもしていればよいのだが、ビールとつまみで時間を潰すことにした。

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―お通しの枝豆―
お通しは200円で枝豆が付く。丁寧に枝豆の両端を切って茹でてあるのが嬉しい。

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―しらすワカメ―


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―馬刺―

 酢の物の「しらすワカメ」と「馬刺」を肴にビールを飲む。鰻屋で「馬刺」は素人の注文のようだが、暑い夏には涼しげでいいじゃないか。

 鰻前を食べながらビールを飲んでいると、それほど待ったという感覚もないうちに「遅くなりました」と店員が申し訳なさそうに鰻重を持ってきた。他の客席でも「遅くなりました」と言っているから、これがこの店の接客の基本のようだ。

 運ばれてきた鰻重「竹」の蓋を開けてみて私は思わず椅子から転げ落ちそうになった(掘り炬燵席で転げ落ちるのは難しいか)。

隙間なくびっちり鰻の蒲焼きが乗っていてご飯が見えない!。

鰻重(竹)3,200円.jpg


鰻重(竹)3,200円 接写.jpg
―鰻重「竹」―

「竹」でこれなら「梅」はどないなるんや。これやったら「松」で十分だったかも。しかし真ん中の「竹」で鰻びっちり、しかも一部は重なっているという店は出会ったことがない。
蒲焼きは程よく色むらなく狐色に焼かれていて実に美しい。これが東京の焼き加減ってもんだ。一口食べて私は再び掘り炬燵席から転げ落ちそうになった。

鰻が溶けた! 

 私の鰻人生の中で口の中で溶ける蒲焼きは初めてである。最初蒸し過ぎではないかと思ったが違う。捌いて直ぐの鰻を蒸して、直ぐ焼くとこのように溶けるほど柔らかい蒲焼きになるのだ。柔らかさが特徴の東京蒲焼きに「溶ける」というもう一歩前進した世界があるとは知らなかった。これは奥の深い話であり食べ手には賛否両論があるだろう。否を論ずる人の多くは「柔らかすぎる」、「鰻の魚としての風味に欠ける」といったところだろう。どこの鰻屋でも蒸し上がった鰻をバットに入れて置いてある光景をよく目にする。偶然とは言え、この間に蒸し上がった鰻の身は冷えて締り旨味が出るのだろう。確かに作り置きをしている店の蒲焼きは柔らかい中にも肉の繊維感があるのと魚の味が濃い。私はそのような鰻も好きだが、それより「平八」の客の回転を悪くしてでも作り置き(蒸し置き)をしないという姿勢を大いに評価する。 店員の「お待たせしました」の声は、私には店主の「待たせて申し訳ないがこれが一番旨い鰻の食べ方だ」を代弁しているように聞こえるのだ。

 ちなみに鰻重は「松」2,500円、「竹」3,200円、「梅」3,900円の3段階。違いは使う鰻の大きさとのこと。私は店と連れに対する見栄から真ん中の「竹」3,200円を選んだ。店側も本当は「竹」を一番売りたいはずで「梅」の存在はその為の飾りだろう。次は「竹」と「梅」を頼んで違いを確かめてみよう。

「たれ」はあっさりしていて甘み、塩分共に控え目。その為、卓上に付け足し「たれ」が置かれている。お腹にもたれない蒲焼きと言える。

 さて、この店も御多分に洩れず「肝吸い」が別料金である。もはや東京では常識化していると言ってよいこの「肝吸い」別料金。名古屋以西でこのような店を見たことがない私は、いったい何をケチっているのだろうと不思議でしかたがない。「肝吸い」の「肝」は肝臓ではなく、胃を中心とした腎臓や腸の一部が付着した部位が用いられる。よって肝焼きにするので肝が足りなくなったなんてのは理由にならない。これは「肝吸い」を出しても残す客が相当いるということなのだろうか。そうでなければ店側の単純な「儲け」や間接的な「値上げ」と取られても仕方がない。善意に解釈して理由が前者だとすれば東京の人は「肝吸い」があまり好きではないのかもしれない。


【総 括】
●ブディーノが食べた東京蒲焼きの中で一番美味しい。(2012年7月7日現在)
●店員の客を待たせた事を申し訳なさそうにする低姿勢に好感が持てる。
●松・竹・梅の違いが蒲焼の数ではなく、使う鰻の太さというところが良心的。
●流石に田園調布だ客層が良い。(池袋「かぶと」比)
●鰻前も充実していて待ち時間を潰しやすい。
●「肝吸い」別料金とはケチ臭い。

posted by ブディーノ at 12:18| Comment(0) | TrackBack(0) | うなぎ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年07月03日

シニフィアン・シニフィエ(日本橋高島屋店)

シニフィアン・シニフィエ 全品制覇シリーズ
1.クロマメ 

 シニフィアン・シニフィエの日本橋高島屋店は、私にとってランチ時のウォーキングに丁度良い距離だ。この店の隣にはメゾンカイザーが店を出しているのだが、メゾンカイザーには客が列をなしているのに比べ、シニフィアン・シニフィエの前には客が誰もいない。確かに食パン1本3,800円という値段が付いていては毎日買いに来る客は限られてくるだろう。店頭には20種類近くのパンが並ぶが、これらのパンを全品制覇しようと思うと相当な時間と金がかるぞ。
 
 並んでいるパンを端から端までチェックした結果、手始めに「クロマメ」から行くことにした。1本1,800円という値段にブディーノ腰が引けて1/4本(クォーター) 450円を注文。これだけではランチとしては少な過ぎるので、向う隣のRF1でサラダ2種類200gを買い足すこととなった。

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 さて「クロマメ」であるが、黒豆、パン共に香り高くたいへん美味しい。これは普段食べるパンという位置づけではなく、たまに食べるケーキ、はたまた和菓子とでも考えたらこの値段にも納得できる。黒豆を使ったケーキはたまに見るが、スポンジ生地との相性は芳しくなくお世辞にも美味しいとは言えないものが多い。しかしこの「クロマメ」はややハードなパンとモチっとした黒豆の取り合わせが実に良い。

 さて明日はどんなパンを食べようか。
この店の評価の総括は全部食べてみないと出来ないし、順番に食べていくことにしよう。これにRF1のサラダを付けると毎日1,300円ぐらいのランチになるがいちおうヘルシーなランチでもあるし、やるしかないだろう。店員にパンのリストも貰い準備万端。明日からシニフィアン・シニフィエ・ウィーク、いやマンスが始まる。
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シニフィアン・シニフィエ 全品制覇シリーズ
2.パン・オ・ルバーブ
  
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 ―パン・オ・ルバーブ。1本2,300円、1/4本572円―

 材料はルバーブ・カボチャ・きなこ・バター・ハチミツ・牛乳・塩・モルト・ジャガ芋・ホップ・麹・レーズンが入る。
 小麦を牛乳で練ったパン。「ルバーブ」の酸味と「カボチャ」のモチモチだけは判るが他の材料は言われてみないと気が付かない。よく1つのパンにこれだけの材料を入れられたものだと感心する。これもパンというよりケーキ。ルバーブの酸味が全体を引き締めてケーキと思えばまあまあ納得。ちょっと甘くてモチモチの食感がランチのパンには向かない。
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シニフィアン・シニフィエ 全品制覇シリーズ3.パン・オ・ヴァン
 
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―パン・オ・ヴァン。1本3000円、1/4本858円―

 材料はヘーゼルナッツ・クランベリー・ピスタチオ・クルミ・アーモンド・カシューナッツ・マカダミアナッツ・白イチヂク・シナモンが入る。販売商品の中でこれが一番高価。
 小麦を赤ワインで練ったパン。持った感じがずしりと重い。これはパンではなく高級なケーキだ。ワインやウイスキーの肴にしても楽しめる逸品。
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シニフィアン・シニフィエ 全品制覇シリーズ
4.パン・オ・ルヴァン

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―パン・オ・ルヴァン。ハーフ450円をさらに半分にして225円―

 小麦全粒粉から起こした自家製酵母を使用。軽やかな酸味と濃い塩味。クラストは薄くクラムはフワフワ。これは美味しい。田園調布シュタインメッツのブロートに味は似ているがこちらのほうが柔らかくて食べやすい。この値段なら普段の主食として毎日食べられる。
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シニフィアン・シニフィエ 全品制覇シリーズ
5.ピカン
  
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  ―ピカン。1本1000円 1/4カット294円―

 材料は小麦・ジャガイモ・カシューナッツ・胡椒・牛乳・ラード・ハチミツ・塩・モルト・リンゴ・レーズン・砂糖・米麹・ホップ
 白胡椒、黒胡椒、赤胡椒とカシューナッツがいっぱい入ったパン。胡椒の辛さが際立ち後をひく。これはワインのつまみにぴったりだ。
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シニフィアン・シニフィエ 全品制覇シリーズ
6.フィグ・エ・フィグ  
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 ―フィグ・エ・フィグ。1本1400円 1/2カット701円―

 材料は小麦・ライ麦・ヘーゼルナッツ・イチジク・ハチミツ・塩・モルト。
 イチヂクとヘーゼルナッツたっぷりで、ずしりと重い。イチジクが爽やかに甘くて種のカリカリした食感がとてもいい。これもパンというよりパウンドケーキに近い。
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シニフィアン・シニフィエ 全品制覇シリーズ
7.フォルコン・ブロート

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 ―フォルコン・ブロート。 1個 1,800円―

 材料は発芽ライ麦・小麦・大麦・アマランサス・アマニ・塩・モルト・イースト。
 とてつもなく重いドイツパンで水分を多く含み、まるで餅やご飯を食べているようだ。手に持つとべたつくし、ボロボロ崩れるし、いったいこれはパンなのか固めのおじやなのか。温めた牛乳に入れたら立派なスープが出来上がる。栄養の固まりのようなパンで一切れ食べたらもう満腹だ。材料の「アマランサス」は南アフリカのアンデス地方が原産の穀物。大きさは1ミリ以下で雑穀の中では最も小粒。食物アレルギーに効果があり特にミネラルが豊富に含まれて鉄やマグネシウムは白米の約13倍、カルシウムは白米の30倍も含まれている。さらに傷ついた細胞を修復する効果がある「アマニ」まで入っているという凝りよう。
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シニフィアン・シニフィエ 全品制覇シリーズ
8.パン・オリーブ
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 ―パン・オリーブ。一本1,210円 1/2ハーフ-601円―

 原材料は小麦・牛乳・オリーブ・オリーブオイル・ハチミツ・ジャガ芋・塩・モルト・リンゴ・米麹・レーズン・ホップ・砂糖。
 いつもながら、よくこれだけの材料を入れられるものだ感心させられる。
パンは皮も中身も柔らかい。オリーブの粒がぎっしり練り込まれていてオリーブの香りが高い。これはワインのつまみに合う。
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シニフィアン・シニフィエ 全品制覇シリーズ
9.チャパタ・ベリー

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 ―チャバタ・ベリー。1個 420円―

 材料は小麦・クランベリー・ブルーベリー・ラズベリー・洋酒・塩・モルト・イースト。
シリーズ6.にして初めておなじみの「イースト」が材料に登場した。軽めの膨らみを狙ったのかもしれない。チャバタはイタリアの食事パン。皮も中身もとても柔らかい。ベリーがこれでもかという程いっぱい入ってこれは血糖値が上がりそう。食事パンとしては甘すぎて不向きだ。どちらかというと菓子パンの部類である。
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シニフィアン・シニフィエ 全品制覇シリーズ
10.パン・オ・ノア

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 ―パン・オ・ノア。69g-3枚カット236円―

 材料は小麦・ジャガ芋・クルミ・ピーカンナッツ・牛乳・ラード・ハチミツ・塩・モルト・リンゴ・レーズン・砂糖・米麹・ホップ。
 生地にマッシュポテトが練り込んであり皮も中身もしっとりモチモチと柔らかい。クルミがやけにいっぱい入っている。3枚にスライスして切り売りにして貰った。これはチーズを上に乗せてオードブルとして食べたら最高だろう。
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シニフィアン・シニフィエ 全品制覇シリーズ
11.パルファン・ドゥ・ラ・セゾン

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 ―パルファン・ドゥ・ラ・セゾン。1/4本 601円―

 材料は小麦・はっさくピール・オレンジピール・塩・モルト・レーズン・砂糖
 皮は固く中身は柔らかい。皮に香ばしい小麦の味がありオレンジピールが利いていてたいへん美味しい。パウンドケーは好きにはたまらない一品。これはパンと言うより焼き菓子といったほうがよい。
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シニフィアン・シニフィエ 全品制覇シリーズ
12.パン・ド・ブラン

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 ―パン・ド・ブラン。1本-1200円、3枚カット-430円―

 材料は小麦・大麦・バター・塩・モルト・イースト・レーズン・砂糖
ついに食パン部門に入った。皮も中身も柔らかい。皮に味があり小麦の香りがぷんぷんする。焼いてバター塗って食べたら超美味しいだろうな。
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シニフィアン・シニフィエ 全品制覇シリーズ
13.パン・ド・ミ

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 ―パン・ド・ミ。4枚カット-336円―

 材料は小麦・塩・モルト・ジャガ芋・リンゴ・ホップ・米麹・レーズン・砂糖。
「レーズン」の表示が有るがレーズンパンではない。まったく普通の食パンだが、これだけの材料が入っているとはとても思えない。「イースト」が入っていないので「ホップ・米麹・レーズン」あたりが生地を膨らます働きをする酵母なのであろう。
 そして食パン部門は普段日常で食べられる値段設定なのが良心的だ。皮がしっかり中身はモチモチで理想的な食パンと言える。トーストしてバターをタップリ塗ってブディーノ流にグラニュー糖かけて食べたら失神するほど旨いだろう。


シニフィアン・シニフィエ 全品制覇シリーズ
14.バゲット・ドゥ・ジュール

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―バゲット・ドゥ・ジュール。ハーフ-131円―

 材料は小麦・塩・モルト・イースト
 ついにフランスパン部門に入った。クラストがパリパリでクラムがフワフワ。クラストに出汁のような物凄いアミノ酸系の味かある。
ヴィロンのバゲット・レトロドールなんて比較にならないほどこちらが美味しい。
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シニフィアン・シニフィエ 全品制覇シリーズ
15.パン・コンプレ

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 ―パン・コンプレ。ハーフ-601円―

 材料は小麦・ハチミツ・バター・全脂粉乳・塩・モルト・イースト。
表面も中も柔らかく口溶けがよい。ほのかにバターの風味がして味が濃くパンだけでおかずはいらないぐらい。小麦胚芽と外皮を乳酸醗酵させたパンは全粒粉パンの2.5倍のミネラルを含有する。おまけに食物繊維、胚芽が入るという全身栄養の固まりのような健康パンだ。
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シニフィアン・シニフィエ 全品制覇シリーズ
16.パン・ド・フリュイ・ルージュ

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 ―パン・ド・フリュイ・ルージュ。ハーフ701円―

 材料は小麦・ライ麦・フランボワーズ・フレーズ・クランベリー・塩・モルト・レーズン
 これはパンというよりケーキであり完全なワインのツマミだ。フランボワーズとクランベリーが甘酸っぱくて気持ちがいい。糖分が多いので1回に3切ぐらいにしないと身体を壊す。


シニフィアン・シニフィエ 全品制覇シリーズ
17.パン・ペイザン

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 ―パン・ペイザン。2片-144円―

 材料は小麦・塩・モルト・イースト
わぁー強烈な小麦の香りと深い味わいだ。小麦と塩だけでこんな美味しいパンが出来るとは信じられない。
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シニフィアン・シニフィエ 全品制覇シリーズ
18.アンプ 
 
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 ―アンプ。ハーフ160円―

 細いバゲットで三軒茶屋本店のみでの販売商品。お目当てのクロワッサンは売り切れだった。このパンは香ばしくて味があって超美味しい。

シニフィアン・シニフィエ本店の印象 
 シニフィアン・シニフィエ本店はパン屋さんというよりまるでブティックの雰囲気だ。陳列ケースにパンではなく洋服を並べても成り立つ。イートインコーナーも有るのだが飲み物が貧弱なのがどうにもいただけない。瓶入りの有機リンゴジュース、トマトジュース、ミネラルウォーターとスパークリングワインだけで、なんとコーヒーがないのだ。メニューにコーヒーが無いのは致命的欠陥だ。パンを食べながらスパークリングワインとかジュース類を飲むのが苦手な私にはなんとも居心地が悪い。それに昼間からアルコールを飲むのは憚られる人も多いだろうし、わざわざこの店にミネラルウォーターを飲みに行くこともないだろう。さほど客が入っているとも思えないので、こんな高級ブティック然とした経営体制じゃ店員は暇でしょうがないだろ。
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シニフィアン・シニフィエ 全品制覇シリーズ
19.チャバタ(抹茶大納言)

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 ―チャバタ(抹茶大納言)。1個420円―

 材料は小麦・大納言小豆・抹茶・塩・モルト・イースト
大納言小豆の入っている量が半端じゃないからこれも食事パンではなく菓子パンの部類に入る。
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シニフィアン・シニフィエ 全品制覇シリーズ
20.バゲット・プラタヌ

バゲット、プラタヌ.jpg
 ―バゲット・プラタヌ。ハーフ241円―

 材料は小麦・塩・モルト・イースト
 クラストが固からず柔らかからずの絶妙の歯ごたえ。味は濃厚でグルタミン酸、コハク酸系の味がする。クラムから発する小麦の芳ばしさが濃厚だ。ヴィロンのバゲットレトロドールが世界一だと思っている人は是非食べ比べてもらいたい。日本人が真剣にパンを作ったらフランス人より旨いパンが出来るということがわかる。
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シニフィアン・シニフィエ 全品制覇シリーズ
21.キャトル・ヴァン

キャトル、ヴァン.jpg
 ―キャトル・ヴァン。ハーフ701円―

 材料は小麦・アマニ・白胡麻・ハチミツ・塩・モルト・イースト
なんとも複雑な味がする。アマニは少し胡麻の味がするので表面の白胡麻との相性を狙ったのだろう。これだけふんだんに白ごまを振りかけたらごまの香りが半端ではない。
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シニフィアン・シニフィエ 全品制覇シリーズ
22.クロワッサン・オ・ルヴァン
  
クロワッサン、オ、ルヴァン.jpg
クロワッサン・オ・ルヴァン。1個220円。本店のみでの販売。
おやっ?
いたって普通のクロワッサン。

 表面のパリパリ、サクサクした感じがなく焼きたてにしてはフニャっとしている。発酵バターを使っているらしいが、使っているバターの量が少なすぎて独特の香りや味がしない。中身に大小不均一な気泡があるで生地の畳み方が荒っぽいのだろう。本店でのみの販売でどんなクロワッサンだろうと期待してはるばる三軒茶屋まで来たのだが、まったくあてがはずれた。
これなら「伊勢佐木のブノワトン(閉店)」、「恵比寿駅のモワザン」、「京王永山のル・シャルダン・ブルー」、最近では「丸ノ内のエシレ」のクロワッサンのほうが遙かに上。
シニフィアン・シニフィエで他の店に負ける凡庸なパンを食べたのはこれが初めてだ。

シニフィアン・シニフィエ本店の印象その2 
飲み物の貧弱さと相まって、わざわざ本店まで足を運ぶ必要はない。
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シニフィアン・シニフィエ 全品制覇シリーズ
23.カンパーニュ

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 ―カンパーニュ。1個14,00円―

 材料は小麦・ライ麦・塩・モルト・レーズン・砂糖
 レーズンの自然発酵酵母を使った強烈な酸味を持つパン。
シュクルート、ベッコフに合いそう。スープをしみこませて食べても美味しいだろう。
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シニフィアン・シニフィエ 全品制覇シリーズ
24.よもぎ大納言(季節限定パン)

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 ―よもぎ大納言(季節限定パン)。1本840円 1/2 420円―

 材料は小麦・よもぎ・大納言小豆・赤えんどう・葛粉・モルト・イースト
 大納言小豆がいっぱい入っているのでまるでヨモギ大福を食べているのと、そっくりな味がする。たとえ大福餅でもここまではっきりとヨモギの香りがするものを私は知らない。こりゃ大福餅より喉の通りが良いし、しかも美味しい。もうこれは茶道の御菓子の領域だぜ。
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シニフィアン・シニフィエ 全品制覇シリーズ
25.チャバタ(前田農産のキタノカオリ)

チャパタ.・キタアカリ.jpg
  ―チャバタ(前田農産のキタノカオリ)。1個151円―

 材料は小麦・塩・モルト・イースト
 北海道、前田農産のキタノカオリという小麦を使用。強烈なもちもち感と小麦の香りが素晴らしい。キタノカオリという小麦が、これほどモッチリするとは驚きだ。食事パンだから値段の設定も安くて嬉しい。。
チャバタとはイタリア語でスリッパという意味らしいが、どんな見方をすればこれがスリッパに見えるのだろう。
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シニフィアン・シニフィエ 全品制覇シリーズ
26.パン・オ・マングー

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 ―パン・オ・マングー。1本1800円 1/4本 451円/1個―

 材料は小麦・マンゴー・牛乳・バター・卵・ハチミツ・レーズン種酵母・ホップ種酵母・塩・モルト・洋酒・イースト

 マンゴーの甘酸っぱさとバターの香ばしい程良く溶け合ってとても美味しい。
モチモチソフトなパウンドケーキに近い。朝食に食べたら爽やかに脳が目が覚めることだろう。
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シニフィアン・シニフィエ 全品制覇シリーズ
27.パン・ド・オニョン

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 ―パン・ド・オニョン。 1本1000円 1/4本 251円―

 材料は小麦・マスタードシード・塩・玉ねぎの皮・モルト・レーズン種酵母・砂糖
 噛んだ瞬間に玉ねぎの香りがほんの少しする。玉葱を意識して食べないと気がつかない程の香りだ。マスターシードが入っているのでマスタードの味を探るがよくわからない。
私の味覚感覚を研ぎ澄まして味わっても名前と味が一致しないパンだ。
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シニフィアン・シニフィエ 全品制覇シリーズ
28.パン・ジャポネーズ(つぶ餡)

パン・ジャポネ(あんパン).jpg

パン・ジャポネ(あんパン)断面.jpg
 ―パン・ジャポネーズ(つぶ餡)。1個150円。 土曜、日曜限定販売のパン。ー

 材料はつぶ餡・小麦・砂糖・バター・牛乳・生クリーム・麹・卵・水飴・塩・イースト・ジャガイモ・リンゴ・ホップ・けしの実
 パンの材料を見て作者のエキセントリックさがよくわかる。たかが、あんパンの生地にここまで色んなものをぶちこむ必要があるのだろうか。パン生地にジャガイモを入れてモチモチ感を出し、麹を入れて酒饅の香りを加えたかったのだろう。結果、作者の計算通り見事に目的を達したパンが出来上がっている。更につぶ餡も抜かりがない。よくさらした小豆と白砂糖を使ってあっさり上等に仕上がっている。断面の写真の通り皮は極限まで薄く、つぶ餡は隙間無くパンパンに入っている。これはもうパンではなく和菓子の域に入っていると言ってよい。

 店員曰く、私は高島屋店の店頭パンを全種類食べ、本店にも足を運び本店限定のパンも食べたのでもう季節限定のパンが出るまで新しいパンは無いそうである。ここで、いちおうシニフィアン・シニフィエを総括しておくことにする。

【総 括】
●日本に乗り込んできたフランスのパン屋、「ヴィロン」「Paul」古くは「ビゴ」のパンより遙かに美味しい。ヴィロンのレトロドールが日本一美味しいと思われている方は試しにバゲットを食べ比べてみられることをお勧めする。フランス人をバカにはしないが、日本人に真剣にパンを作られたら彼らに勝ち目はない。日本人の緻密さ、神経質さエキセントリックさを概して大雑把な性格のフランス人に求めるのは酷であろう。

●本店のクロワッサン以外はどのパンもとても美味しい。

●値段は高いが手の込んだ材料を考慮し、パンと思わずにケーキや和菓子と思えば納得せさるを得ない。

●毎日食べるバゲットやパン・ド・カンパーニュ、山食、チャバタはけっして高い値段設定ではない。 
The mission was completed−
posted by ブディーノ at 17:22| Comment(2) | TrackBack(0) | パン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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